目 次
この医薬品・医療用具等安全性情報は,厚生労働省において収集された副作用情報をもとに,医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために,医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成16年(2004年)12月
厚生労働省医薬食品局
前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.207)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
販売名(会社名) |
スミフェロン300,同600,同900注,同DS300,同DS600(住友製薬) |
薬効分類等 |
その他の生物学的製剤 |
効能効果 |
(スミフェロン300,600,DS300,DS600) |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
|
[副作用 |
敗血症,肺炎等の重篤な感染症:易感染性となり,敗血症,肺炎等の重篤な感染症があらわれることがあるので,患者の全身状態を十分に観察し,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
症例の概要
NO. |
患者 |
1日投与量 |
副作用 |
備考 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性・ |
使用理由 |
経過及び処置 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 |
男 |
C型慢性肝炎 |
600万IU |
|
企業報告 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
併用薬:ニソルジピン,胃炎・消化性潰瘍用剤,インドメタシン |
NO. |
患者 |
1日投与量 |
副作用 |
備考 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性・ |
使用理由 |
経過及び処置 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2 |
男 |
亜急性硬化性全脳炎 |
300万IU |
|
企業報告 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
併用薬:フェニトイン,イノシンプラノベクス,バルプロ酸ナトリウム,クロナゼパム |
販売名(会社名) |
ケテック錠300mg(アベンティスファーマ) |
薬効分類等 |
主としてグラム陽性菌,マイコプラズマに作用するもの |
効能効果 |
<適応菌種> |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
|
[重要な基本 |
意識消失,視調節障害,霧視等があらわれることがあるので,自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。 |
[副作用 |
意識消失:意識消失があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
症例の概要
NO. |
患者 |
1日投与量 |
副作用 |
備考 |
|||||||||||||
性・ |
使用理由 |
経過及び処置 |
|||||||||||||||
1 |
男 |
急性咽喉頭炎 |
600mg |
|
企業報告 |
||||||||||||
併用薬:なし |
NO. |
患者 |
1日投与量 |
副作用 |
備考 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性・ |
使用理由 |
経過及び処置 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2 |
男 |
気管支炎 |
600mg |
|
企業報告 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
併用薬:カルボシステイン,臭化水素酸デキストロメトルファン |
前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.207)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について,改訂内容,主な該当販売名,参考文献等をお知らせいたします。
1 |
〈精神神経用剤〉 |
[販 売 名] |
トリプタノール錠10,同錠25(萬有製薬)他 |
|
[禁忌] |
|
|
[重要な基本 |
投与量の急激な減少ないし投与の中止により,嘔気,頭痛,倦怠感,易刺激性,情動不安,睡眠障害等の離脱症状があらわれることがある。投与を中止する場合には,徐々に減量するなど慎重に行うこと。 |
|
[副作用 |
セロトニン症候群:不安,焦燥,せん妄,興奮,発熱,発汗,頻脈,振戦,ミオクロヌス,反射亢進,下痢等を主症状とするセロトニン症候群があらわれることがあるので,これらの症状があらわれた場合には投与を中止し,水分の補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。 |
|
〈参 考〉 |
企業報告 |
2 |
〈その他の循環器官用薬〉 |
[販 売 名] |
フォスブロック錠250mg(麒麟麦酒),レナジェル錠250mg(中外製薬) |
[慎重投与] |
腸管憩室のある患者 |
[重要な基本 |
腸管穿孔,腸閉塞があらわれることがあるので,下記の点に留意すること。 |
[副作用 |
憩室炎,虚血性腸炎:憩室炎,虚血性腸炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,これらの病態が進行し腸管穿孔等の重篤な状態に至らぬよう,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
3 |
〈糖尿病用剤〉 |
[販 売 名] |
グルファスト錠5mg,同錠10mg(キッセイ薬品工業) |
[副作用 |
肝機能障害:AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
4 |
〈他に分類されない代謝性医薬品〉 |
[販 売 名] |
注射用エフオーワイ,同500(小野薬品工業)他 |
[副作用 |
白血球減少,血小板減少:白血球減少,血小板減少があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止すること。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
5 |
〈その他の腫瘍用薬〉 |
[販 売 名] |
リツキサン注10mg(全薬工業) |
[重要な基本 |
B型肝炎ウイルスに感染している患者で,本剤投与後,肝炎が再燃することがあり,特に癌化学療法と併用した患者において多かった。B型肝炎ウイルス感染のある患者又はその疑いのある患者に投与する場合,本剤の治療期間中及び治療終了後は肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど,患者の状態を十分観察すること。異常が認められた場合は抗ウイルス剤の投与を行うなど適切な処置を行うこと。 |
[副作用 |
汎血球減少,白血球減少,好中球減少,血小板減少:重篤な血球減少が起こることがあり,好中球減少については,本剤の最終投与から4週間以上経過して発現する例が報告されているので,本剤の治療期間中及び治療終了後は定期的に血液検査を行うなど,患者の状態を十分に観察し,異常が認められた場合は休薬等の適切な処置を行うこと。また,重篤な血球減少に伴い,感染症(敗血症,肺炎等)を合併することがあるので注意すること。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
6 |
〈主としてグラム陽性菌に作用するもの〉 |
[販 売 名] |
塩酸バンコマイシン点滴静注用0.5g「メルク」(メルク・ホエイ),ストラシン点滴静注用0.5g(メルシャン),点滴静注用ソルレイン0.5g(東和薬品),点滴静注用バンコマイシン0.5「MEEK」(小林化工),バンマイシン点滴静注用0.5g(日本医薬品工業) |
|
[警告] |
|
|
[効能・効果に関連 |
本剤の副作用として聴力低下,難聴等の第8脳神経障害がみられることがあり,また化膿性髄膜炎においては,後遺症として聴覚障害が発現するおそれがあるので,特に小児等,適応患者の選択に十分注意し,慎重に投与すること。
|
|
[用法・用量に関連 |
本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現を防ぐため,次のことに注意すること。 |
|
〈参 考〉 |
企業報告 |
7 |
〈主としてグラム陽性菌に作用するもの〉 |
[販 売 名] |
塩酸バンコマイシン散(日本イーライリリー) |
|
[警告] |
|
|
[用法・用量に関連 |
本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現を防ぐため,次のことに注意すること。 |
|
〈参 考〉 |
企業報告 |
8 |
〈X線造影剤〉 |
[販 売 名] |
マグコロール,マグコロールP(堀井薬品工業) |
[用法・用量に関連 |
200mLを投与するごとに排便,腹痛等の状況を確認しながら,慎重に投与するとともに,腹痛等の消化器症状があらわれた場合は投与を中断し,腹部の診察や画像検査(単純X線,超音波,CT等)を行い,投与継続の可否について,慎重に検討すること。 |
[慎重投与] |
腸管憩室のある患者 |
[重要な基本 |
本剤の投与により排便があった後も腹痛,嘔吐が継続する場合には,腹部の診察や画像検査(単純X線,超音波,CT等)を行い,腸管穿孔等がないか確認すること。 |
[副作用 |
腸管穿孔,腸閉塞を起こすことがあるので,観察を十分に行い,腹痛等の異常が認められた場合には,投与を中止し,腹部の診察や画像検査(単純X線,超音波,CT等)を行い,腸管穿孔,腸閉塞が疑われた場合には,適切な処置を行うこと。
|
[高齢者への投与] |
高齢者において腸管穿孔,腸閉塞を起こした場合は,より重篤な転帰をたどることがある。等張液を投与する場合には,時間をかけて投与し,投与中は観察を十分に行い,腹痛等の異常が認められた場合には,投与を中止し,腹部の診察や画像検査(単純X線,超音波,CT等)を行い,適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
9 |
〈X線造影剤〉 |
[販 売 名] |
テクトロール散(大洋薬品工業)他 |
[重要な基本 |
本剤の投与により排便があった後も腹痛,嘔吐が継続する場合には,腹部の診察や画像検査(単純X線,超音波,CT等)を行い,腸管穿孔等がないか確認すること。 |
[副作用 |
腸管穿孔,腸閉塞を起こすことがあるので,観察を十分に行い,腹痛等の異常が認められた場合には,投与を中止し,腹部の診察や画像検査(単純X線,超音波,CT等)を行い,腸管穿孔,腸閉塞が疑われた場合には,適切な処置を行うこと。
|
〈参 考〉 |
企業報告 |
10 |
〈他に分類されない治療を主目的としない医薬品〉 |
[販 売 名] |
ニフレック(味の素ファルマ)他 |
|
[警告] |
|
|
[用法・用量に関連 |
2Lを投与しても排便がない場合は投与を中断し,腹痛,嘔吐等がないことを確認するとともに,腹部の診察や画像検査(単純X線,超音波,CT等)を行い,投与継続の可否について,慎重に検討すること。 |
|
[慎重投与] |
高齢者 |
|
[重要な基本 |
本剤の投与により排便があった後も腹痛,嘔吐が継続する場合には,腹部の診察や画像検査(単純X線,超音波,CT等)を行い,腸管穿孔等がないか確認すること。 |
|
[副作用 |
腸管穿孔,腸閉塞:腸管穿孔,腸閉塞を起こすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,腹部の診察や画像検査(単純X線,超音波,CT等)を行い,適切な処置を行うこと。なお,自宅で服用させる場合は,「重要な基本的注意」の項を参照し,指導すること。 |
|
[高齢者への投与] |
一般に高齢者では生理機能が低下しているので,投与速度を遅くし,十分観察しながら投与すること。特に高齢者において腸管穿孔,腸閉塞を起こした場合は,より重篤な転帰をたどることがあるため,投与中は観察を十分行い,異常が認められた場合には投与を中止し,腹部の診察や画像検査(単純X線,超音波,CT等)を行い,適切な処置を行うこと。 |
|
〈参 考〉 |
企業報告 |
11 |
一般用医薬品 |
[販 売 名] |
ベーパーセクト(国際衛生)他 |
[用法及び用量に関連 |
専用の機械を8時間使用後,1時間は放置し,その後に十分な換気をしてから入室すること。
|
〈参 考〉 |
企業報告 |
12 |
一般用医薬品 |
[販 売 名] |
バポナ殺虫プレート,バポナハーフ殺虫プレート(アース製薬)他 |
[してはいけないこと] |
居室(客室,事務室,教室,病室を含む)では使用しないこと。なお,居室にある戸棚・キャビネット内などでも使用しないこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
13 |
一般用医薬品 |
[販 売 名] |
バポナミニ殺虫プレート(アース製薬)他 |
[してはいけないこと] |
居室(客室,事務室,教室,病室を含む)では使用しないこと。なお,居室にある戸棚・キャビネット内などでも使用しないこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
14 |
一般用医薬品 |
[販 売 名] |
パラノン(アールエコ)他 |
[してはいけないこと] |
使用場所については定められた場所のみで使用し,居室(客室,事務室,教室,病室を含む)では使用しないこと。 |
〈参 考〉 |
企業報告 |
お知らせ この医薬品・医療用具等安全性情報は,厚生労働省において収集された副作用情報をもとに,医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために,医療関係者に対して情報提供されるものです。
医薬品・医療用具等安全性情報は,医薬品医療機器情報提供ホームページ(http://www.info.pmda.go.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。
また,NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ,最近1年間の「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。
「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120−161−011 |
照 会 先
厚生労働省医薬食品局安全対策課
03-5253-1111(内線)2753,2756