平成29年度 札幌南三条病院 病院指標

当院では、胸に開けた小さな穴に胸腔鏡を用いて、病気の部分を切除したり縫合したりする胸腔鏡手術を積極的に導入しております。
呼吸器外科で最も多いのは、肺癌の手術症例です。これは従来の開胸手術に比べて比較的小さな創で行える手術のため、創の痛みや大きさ、体へ負担が少なくて回復も早く、入院期間が短くなります。当院では全国平均より平均在院日数が５．２４日短くなっております。
2番目に多い症例は、1番目の肺癌手術と比較すると、部分切除など比較的切除範囲の小さい手術や、輸血を行う症例になります。こちらも胸腔鏡手術を使用することが多く、全国平均より平均在院日数が３．３９日短くなっております。
3番目と4番目に多い症例は、気胸という胸膜に穴が開いて呼吸が苦しくなる病気の症例です。
3番目の症例は手術を行った症例、4番目の症例は保存的加療（手術をせず、ドレーンを入れたり自然治癒するのを待つ治療）を行った症例です。

呼吸器内科の多い症例は、肺癌の化学療法です。
使用する薬剤によって在院日数は変わりますが、当院の在院日数は全国平均よりも短い傾向にあります。
最も多い症例は、オプジーボ、キイトルーダという免疫チェックポイント阻害剤を使用した肺癌の治療となり、平均在院日数は９．３６日となります。
２番目に多い症例は、特定の抗癌剤以外を使用した肺癌の化学療法になります。平均在院日数は、８．７６日で全国平均と比べ３．２３日短くなっています。
３番目の気管支鏡検査は、癌かどうかを判別したり、がんの組織を調べたりするときに行います。当院では１泊２日の入院で行うことが多いです。
４番目に多い症例は、カルボプラチンとパクリタキセル、イレッサ、タルセバ、ジオトリフという抗癌剤を使用した肺癌の化学療法です。
平均在院日数は１１．９９日で、全国平均と比べ上位５位の中で最も差が大きく、７．００日短くなっています。
５番目に多い症例は、肺癌患者の手術や化学療法の治療をしなかった症例です。
経過観察や、当院での治療を予定したものの他施設での治療に変更をおこなったり、緩和を選択した症例が多く含まれます。
そのため、転院率が１９．１０％と高くなっています。

1番目、2番目、5番目は肺癌に対して行われる胸腔鏡下手術で、1番目が肺葉切除、2番目が部分切除、5番目が区域切除です。4番目も肺癌に対して行われる手術ですが、こちらは開胸手術となり、肺葉の切除術です。
これらの手術はがんの進行度や患者様の状態によって決定しております。
3番目は主に気胸に対して行われる胸腔鏡下手術で、平均年齢は他の手術症例と比較すると若い傾向にあります。

10症例未満の症例は‐(ハイフン)を使用しています。
手術は呼吸器外科の医師が行います。
通常呼吸器内科では手術は行いませんが、退院時の診療科で集計する集計方法となっているため、呼吸器内科でも手術別患者数の集計となります。抗がん剤の持続投与が必要な場合などに、血管内に薬剤を注入するための機器を皮膚の下に埋め込む手術を行っています。
この手術を行うと、末梢血管のルート確保が困難な場合、何度も針を刺して苦痛が伴うことを避けることができます。
手術後、すぐに化学療法を行っているため、平均術後日数が9.69日と長くなっております。