LAST UPDATE:2011/9/5 
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呼吸器外科

 当院呼吸器外科は前身の南一条病院時代より呼吸器外科領域の手術に
積極的に取り組んでおり、2004年4月の開設以来、2011年8月末までに
約 2,800例を超える手術を行っています。診療内容では、原発性肺癌を
中心として、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、良性肺腫瘍、悪性胸膜中皮腫、
気胸、その他の胸部疾患の外科治療を現在は、4人のメンバーで行って
おり、手術件数は 2010年度の手術総数が409件、そのうち原発性肺癌の
手術件数は191件と北海道では最多となっています。

●2010年業務実績
 呼吸器関連疾患に対する手術症例数:409例
  手術内訳:  原発性肺癌症例 :191例
         肺葉切除    :156例
(うちVATS肺葉切除:117例)
         転移性肺腫瘍症例: 24例
         良性肺腫瘍症例 : 2例
         縦隔腫瘍症例  : 18例
         気胸症例    : 93例
         胸腔鏡下生検  : 20例
         
(肺生検、リンパ節生検、胸膜生検等)
         その他     : 61例
    
 
年度別疾患別症例数の変還
 
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【原発性肺癌の治療
 1.手術療法
    アプローチ法 (胸腔鏡使用など)、切除方法 (術式) など、いくつかの要素が
    あります。 たとえば、創が小さくても肺の切除量が多ければ、肺機能はある

    程度損なわれますし、 その逆のこともあります。 当院では、気胸をはじめと
    する良性疾患のみならず肺癌手術に関しても胸腔鏡手術を積極的に導入し

    ております。これは従来の標準開胸手術に比べて侵襲がすくないため、術後
    の患者さんの回復が早いこと、ひいては早期社会復帰を狙ってのことであり
    ますが、決して胸腔鏡下手術にとらわれず従来の開胸手術で両者の利点を
    いかした治療を心がけています。


 A.胸腔鏡手術
   手術療法としては、開院当初より内視鏡を用いた手術(胸腔鏡下手術)
   を導入し、より多くの患者さんへ適応できるよう努めてきました
   現在、肺がん手術のうち約80%は胸腔鏡を使用した手術です。
   ただ、すべての患者さんが適応となるわけではなく、進行度や
   合併症を検討して慎重に手術方法を決定しています。

 B.開胸手術 従来の(標準的)手術
    当科で行う開胸手術の多くは10〜15cm程度の切開で行う小開
   胸手術です。以前は標準的開胸法であった後側方開胸(背中から
   前胸部)まで30〜40cmの切開)は、近年ではほとんど行うこと
   はなくなりました。手術内容に関しては年代別にみると難易度の
   高い手術がますます増えてきており、当院での開胸手術割合もそ
   れに伴い次第に増加してきていますこれは、道内でも数少ない呼
   吸器専門病院としての周囲からの期待の表れであると自覚し、当
   院を受診していただいた患者さんにとって当院で施行可能な最善
   の治療を提供していきたいと考えています。

 年度別原発性肺がん手術アプローチ法の変還
 
  
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 (肺の切除術式)
   1.肺癌の標準的な手術術式は、肺葉切除+リンパ節郭清です。
    ただし、完全切除をするために、2葉切除や肺全摘除を行うこ
    ともあります。しかし、なるべく全摘をさけるように、気管支
    形成術や肺動脈形成術を症例に応じて行っています。
   2.近年の画像診断技術の向上に伴い、早期の小型肺癌が早い段
    階で発見されるようになりました。これに対して肺機能を温存
    しながら、根治性も損なわないという手術方法です。なかでも
    ごく早期の肺がんの場合には、場所によってはさらに小さく切
    り取る方法として、部分切除術も行っています。
   3.進行癌(大きい腫瘍、リンパ節転移の明らかな腫瘍など)の
    場合には、呼吸器内科と連携して術前化学療法を行い、病巣を
    小さくしてから切除を行うという治療のオプションがあり、適
    応を慎重に検討し決定しております。

 年度別原発性肺癌手術術式の推移
 
  肺癌は手術に加えて術後補助療法などの修学的治療が必要となる場
  合があります。また、根治手術を行った患者さんのうち、何割か術
  後再発をきたし、その際抗癌剤治療等が必要となることもあります
  幸い当院呼吸器内科は術前診断は勿論、術後の補助療法に関して全
  国トップレベルにあり、このため患者さんに対して常に高いレベル
  の包括的な治療を協力して行う事ができます。


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  【気胸】
  気胸(特発性自然気胸、続発性気胸)は、何らかの原因で肺に穴が
  あき、胸腔(胸の器のなか)に空気が漏れて貯まる病気です。
  10〜30歳代の若い男性、または70歳代の男性に多いです。症状は、
  急激に出てくることがほとんどです。なかでも、緊張性気胸(胸の
  なかの圧が異常に高まる状態)は、緊急処置が必要な危険状態です
  再発を繰り返す場合、空気の漏れが止まらない場合、出血を伴う場
  合などには、手術を行っております。手術は99%胸腔鏡下手術を行
  っています。若年者に発症した場合の手術に関しては、術後平均約
  2-3日での早期退院が可能になっております。


 年度別気胸手術数の変還
 


 【転移性肺腫瘍】
  転移性肺腫瘍の手術適応については、原発部位(もとになっている
  癌)によって、検討する必要があります。手術を行う場合は、機能
  をできるだけ温存するよう肺部分切除を基本とし、可能な限り胸腔
  鏡手術を行っています。

 【縦隔腫瘍・胸線関連疾患】
  縦隔腫瘍としては、前縦隔に発生する胸線腫が最も多いですが、他
  に胸腺癌、胚細胞腫瘍、神経原発性腫瘍など多岐にわたります。
  疾患ごとに治療方針を検討し決定しております。


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