当院について

部署紹介Department introduction

リハビリテーション科

リハビリテーション科は平成10年10月、当初まだ、馴染みが薄かった呼吸リハビリテーションを目的に開設致しました。
その後、平成16年5月に療養型病床群の開設に伴い、脳血管リハビリテーションや運動器リハビリテーションを開始し、平成24年からは、心疾患を合併する外来透析患者に対して、心大血管リハビリテーションを開始しました。
現在の施設基準は、心大血管疾患リハビリテーション料Ⅰ・初期加算、脳血管疾患リハビリテーションⅡ・初期加算、運動器リハビリテーションⅠ・初期加算、呼吸器リハビリテーション料Ⅰ・初期加算を取得しています。
スタッフは、専任医師1名、理学療法士4名、作業療法士2名で診療を行っています。医師及び病棟スタッフと日常的に綿密な連絡を取り合い、チームリハビリを実践するように心がけております。

リハビリスタッフ資格

3学会合同呼吸療法認定士 2名
理学療法科学学会認定呼吸理学療法スペシャリスト 1名
住環境福祉コーディネーター2級 1名
福祉用具専門相談員資格取得 1名
介護支援専門員資格取得 1名
キネシオテーピング協会 Certified Kinesio Taping Trainer 1名
日本離床研究会 認定離床アドバイザー 1名

呼吸リハビリテーションとは

リハビリテーションと聞くと、ケガや脳卒中などでご不自由となった人の機能訓練を思い浮かべる事と思います。
呼吸器の病気は直接手足の機能障害を起こす病気ではありませんが、動作時に生じる息切れによって、日常生活に支障をきたすことがあります。
また、呼吸にたずさわる筋肉の働きや肋骨の動きは呼吸器の病気によって障害を受ける可能性があり、効率の悪い呼吸パターンが習慣的になっていると、首や肩(肩甲帯)のコリ等につながってしまう場合もあります。
当院の呼吸リハビリテーションの目的は、①正しい知識を得る。②心身ともにリラックスし正しい呼吸方法を習得する。③運動機能を高める。(体力の向上)④前向きな日常生活を過ごす(生活の質を高める)。⑤薬物療法・食事療法を通して可能なかぎり日常生活や社会生活を維持改善する。などを大きな目標としています。当院では、患者さんに呼吸リハビリテーションのパンフレットを配布し、指導・訓練を行っています。 

当院における呼吸理学療法は、理学療法士が評価を行い、プログラムを作成し実施します。トレーニングには以下のような方法があります。

  • 呼吸方法のトレーニング(口すぼめ呼吸・腹式呼吸)
  • リラクゼーション 胸郭ストレッチ モビライゼーション
  • 呼吸介助
  • 呼吸体操
  • 排痰法(体位ドレナージ・振動法・ゆすり法・スクィージング・ハッフィング・その他、器具を使用した自己排痰方法)
  • 器具を使用した呼吸筋筋力トレーニング
  • 四肢筋力トレーニング(上肢・下肢の鉄アレイ、重錘を用いたトレーニング)
  • 歩行トレーニング
  • 自転車によるトレーニング

呼吸パンフレットより抜粋

腹式呼吸をおぼえよう

横隔膜を使った通称「腹式呼吸」を練習しましょう。

  • 両膝の下に座布団などを二つ折りにして膝を高くし、全身の力を抜きます。
  • すぼめた口から息を「フー」とゆるやかに吐きます。一息毎に『力が抜けていく』のをイメージしましょう。

  • ゆるやかにに息を吸う(なるべく鼻から)。
    このときにお腹がフンワリとふくらむのを感じ取りましょう。(②へ戻る)
    お腹の上に手をのせると感じとり易いです。

ポイント

腹式呼吸の練習は満腹時を避けて、5分間程度行います。慣れたらお腹の上に1~2kgの砂糖や塩の袋を重りとして乗せてみましょう。息を吸う時間の2倍程度の時間でゆっくりとリラックスして吐くことがポイントです。

腹式呼吸の誤解

お腹に力を入れて息を吸うのが腹式呼吸だと思っている方がいます。
腹式呼吸で息を吸ったときにお腹がふくらむのは横隔膜がお腹の内臓を押し下げているためです。お腹に力を入れると腹筋が働きます。腹筋は息を強く吐くときに働きます。またどうしても上手く出来ない場合やかえって息苦しくなる場合は無理に練習する必要はありません。

心大血管リハビリテーションとは

当院には、心疾患を合併している透析患者さんが多くいらっしゃいます。そのような患者さんの運動負荷量の設定には、患者さんごとに、医者と理学療法士にて呼気ガス分析装置を用いて、心肺運動負荷試験の実施を行うことが可能です。
直線的に増える負荷量に対して、呼吸ごとに酸素と二酸化炭素のガス比率を測定し、あわせて心電図変化をモニターしながら自転車を漕ぐ試験となります。
本法で得られる指標としては、運動時間、最大運動強度、嫌気性代謝閾値(AT)、最大酸素摂取量(Peak VO2)、最大酸素摂取量(Max VO2)、分時換気量増加率/CO2排出量増加率(VE/VCO2 Slope)などが求められ、患者個人の運動設定強度や予後に関係する心肺機能の推測にも有用となっています。
透析患者さんの身体活動は低く、特に透析日に著しく低下することからも、最近では、透析中のエクササイズが注目されています。当院でも、心肺運動負荷試験によって求められた、有効で安全な負荷量を決め透析中に自転車トレーニングを行うことが可能です。

維持期リハビリテーション

長期療養目的に障がい者病棟に入院される患者さんに対しては、リハビリテーションを継続して行うことで長期臥床による院内廃用の予防や二次的合併症の予防に努めています。また、症状が安定しているが、「家庭に戻るには不安が残る」と感じていらっしゃる患者さんには、理学療法士を中心に心身の状態に照らして、理学療法室または病床にて機能回復の練習を行い、在宅に戻るためにお手伝いを行っています。